俺とパンダ2 ... http://orepan.jp/

ケイコの発言:
こんばんは。

雄二の発言:
インドへ。

ケイコの発言:
はあ。

雄二の発言:
インドへ行きたいよ。

ケイコの発言:
カレーね。

雄二の発言:
よく分かったね。

ケイコの発言:
ほんとカレー好きだね。

雄二の発言:
生れ落ちたとき、羊水がちょっとカレーだったらしいからね。俺。

ケイコの発言:
ちょっとカレー。

雄二の発言:
なんつーか、今で言うスープカレー、みたいな。

ケイコの発言:
へえ。

雄二の発言:
まあ、うん。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
スパイスを極めにいってくるわ。

ケイコの発言:
会社員だよね?

雄二の発言:
会社員はスパイスを極めてはいけないのですか?

ケイコの発言:
別にいいけど。夏休みとれそうなの? 会社。

雄二の発言:
獲るよ。

ケイコの発言:
能動的だ。

雄二の発言:
やあ、ただ、仕事の都合で、取れるのが、ちょっと普通より遅い。

ケイコの発言:
いつくらい?

雄二の発言:
9月とか。

ケイコの発言:
かえっていいんじゃない?

雄二の発言:
なんで。

ケイコの発言:
インド行くんでしょ? 飛行機、8月より9月のほうが安いんじゃないの。

雄二の発言:
そんなに変わらないよ。

ケイコの発言:
そうなの。

雄二の発言:
あの、チケット安いのって、なんか怖いよね。

ケイコの発言:
どうして。

雄二の発言:
その分、いろんなところで手を抜かれてそうだ。

ケイコの発言:
どういう?

雄二の発言:
なんか、気持ち、低空、とか。

ケイコの発言:
えー。

雄二の発言:
気持ち、だけどね。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
羽根もね、気持ち、短い。

ケイコの発言:
駄目だよ、それは。

雄二の発言:
気持ち、だから。まあ飛べないってほどじゃないよね、ってくらいまでをカットしてある。

ケイコの発言:
うーん。

雄二の発言:
そこはちゃんとなんか専門家みたいなのが居て。「あー、あと、気持ち、切ってください」みたいな感じで指示だしてるから。

ケイコの発言:
わざわざ。

雄二の発言:
「気持ち、夏っぽく、切ってください」みたいな感じで、指示出してるから。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
あと、逆に、フライトアテンダントのスカート丈が、気持ち、長い。

ケイコの発言:
残念だね。

雄二の発言:
気持ち、だけどね。

ケイコの発言:
分かったよ。

雄二の発言:
インド着いても、飛行機、気持ち、遠くへ停まる。

ケイコの発言:
歩かなくちゃだ。

雄二の発言:
まあ、気持ち、だけどね。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
着いたら着いたで、安い分、気持ち、スケールダウンしてるのよ、インドが。

ケイコの発言:
どんな?

雄二の発言:
ガンジス川の水位が、気持ち、低い。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
まあ、低いっつーか、ぶっちゃけ、ちょろっちょろ。

ケイコの発言:
ちょろっちょろ。

雄二の発言:
舐められたもんですよ。安く来た奴にはこのくらいで十分だろ、とばかりに、ちょろっちょろ。

ケイコの発言:
まあ、うん。

雄二の発言:
コブラも、壷からほんのちょっとしか出ないし。

ケイコの発言:
ほんのちょっと。

雄二の発言:
ん? コ……ブラ? ぐらいしか出ない。

ケイコの発言:
まあ、うん。

雄二の発言:
サイババもさあ、なんかさあ、出すものがせこいの。ガムとか出す。

ケイコの発言:
ガム。

雄二の発言:
フィリックスガム。

ケイコの発言:
何でもいいけど。

雄二の発言:
カレーも、味ないし。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
ナンなんてぺらっぺらだし。向こうのインド人が透けて見える。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
掛け算もポロッポロ間違えるし。

ケイコの発言:
優秀なインド人が。

雄二の発言:
ポロッポロ。1の段から間違えるもの。

ケイコの発言:
間違えようがないよね、1の段。

雄二の発言:
タージ・マハールとか、良く見たらレゴだし。

ケイコの発言: それは逆に手間がかかってるんじゃないの?

雄二の発言:
まあ、まあ良く作ったよね。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
会議でさ、「安上がり旅行をする馬鹿どもには、レゴのタージ・マハールでも見せておけばいいんだよ!」「あはは! 賛成!」 みたいな感じで、その場で盛り上がっちゃって決まったんだけど、いざ作り始めたら、逆に大変だった、みたいな感じだと思うよ。

ケイコの発言:
うーん。

雄二の発言:
餃子パーティーやるから、来る人数確定させようとしたけど、なんか、一人一人に電話かけるの面倒くさいから10人分くらいつくっちゃお! ってなったんだけど、いざ作り始めたら、10人分つくるのすっごい大変で、こっちのほうが逆に面倒くさかったね、みたいな。

ケイコの発言:
何の話?

雄二の発言:
で、なんだ、地震で電車止まって結局ほとんど来れなくなっちゃって、餃子すっごい余るし。

ケイコの発言:
だから、何の話?

雄二の発言:
この前の地震の日にさ、餃子パーティーがあったんだよ。

ケイコの発言:
ああ、震度5だよね、確か。大丈夫だった?

雄二の発言:
やあ、先輩の家で、餃子作ってて、俺、はじめ、餃子つくりすぎてめまい起こしたと思った。

ケイコの発言:
そんなに作ったんだ。

雄二の発言:
うん。10人分だからね。

ケイコの発言:
家のほうは被害無かったの?

雄二の発言:
大変だったよ!

ケイコの発言:
え、何。

雄二の発言:
家帰ったらさ、お茶のペットボトルが倒れてた。

ケイコの発言:
あそう。

雄二の発言:
馬鹿! 大変なことだよ!

ケイコの発言:
何が。

雄二の発言:
俺さあ、毎日お茶のペットボトル買うじゃん。

ケイコの発言:
知らないけど。

雄二の発言:
買うの。

ケイコの発言:
そう。

雄二の発言:
でも、大抵、飲みきれないんだよ。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
結果として、飲みかけのペットボトルが溜まってくのね。部屋に。

ケイコの発言:
捨てなよ。

雄二の発言:
で、溜まってくんだけど、そうなってくると、どれが、飲めるやつか分かんなくなるのよ。うっかり、古いお茶を飲んで、おなかいたくなることもしばしば。

ケイコの発言:
だから、捨てなよ。

雄二の発言:
このままではお茶に殺されてしまう! 静岡県人なのに!

ケイコの発言:
捨てなよ。

雄二の発言:
でも、そこは、ホモ・サピエンスですよ。知恵を使うわけだ。最新のペットボトルは立てて、あとは寝かせておく。そうすれば、いつでも新鮮なお茶が飲める。やべえ。やべえよ俺システム!

ケイコの発言:
聞いてないでしょ、人の話。

雄二の発言:
で、その日帰ってきたらさあ、全部寝てんだよ。ペットボトルが。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
俺システム、崩壊。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
大地震の前では、人の知恵など無力である。そのことが、はっきりと分かったよ。

ケイコの発言:
うーん。

雄二の発言:
まあ。

ケイコの発言:
何の話だっけ。

雄二の発言:
インドだね。

ケイコの発言:
あ、ライババには気をつけてね。

雄二の発言:
何、ライババって。

ケイコの発言:
ググるといいよ。

雄二の発言:
わあー! 是非会いたい! 貴重な情報ありがとう。

ケイコの発言:
どういたしまして。

雄二の発言:
こういうの居るんだ。やっぱり。

ケイコの発言:
インドって、治安悪いのかな。

雄二の発言:
やあ、そこまで悪いってわけではないらしいけど。

ケイコの発言:
ところで、インドのおっかない人の見分け、つく?

雄二の発言:
どういうこと。

ケイコの発言:
みーんな同じ顔に見える気がする。

雄二の発言:
ああ。そういうことか。

ケイコの発言:
大丈夫なの?

雄二の発言:
ターバンの後ろから出てるヤン毛に注意すれば大丈夫だと思う。

ケイコの発言:
ヤン毛あるんだ。インドにも。

雄二の発言:
あと、自転車、わざわざサドル低くしてね。

ケイコの発言:
それ、ただの中学生の不良じゃん。

雄二の発言:
あと、あめーあめー言いながら、死ぬほど辛いカレー食うの。

ケイコの発言:
中学生だね。明らかに。

雄二の発言:
心配そうに見つめる友達に、「ぜんっぜん平気だわー、もっと辛くてもいけるわー」とか言ってんだけど、明らかに、泣きそうなのね。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
で、店員がまた全然気が利かない奴で、ホントにおいしいって言ってくれてると思って嬉しがっちゃって、「そうら、たくさん食え」みたいな感じで、せっかく減った皿にカレー足しちゃったりね。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
あ、中学校のとき、洋平って奴が居てさ。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
なんか、給食の納豆の薬味として葱が出たんだよ。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
で、給食係が配分間違って、葱が大量に余った。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
そしたら、洋平が、「葱うめーのに。もったいないなあ。俺全部食うわ」とか言い出して。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
この洋平って奴が、なんだろなー、なんか、すごい大人ぶるんだけど、彼の考える大人の定義っつーのがが数センチずれててさ。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
学校に栄養ドリンク持ってきたり、社会科見学の途中でスポーツ新聞買ったり、大人な自分を演出するんだけど、その彼の考える「大人」の定義のズレが、なんかムカつくんだよね。

ケイコの発言:
ああ、うん。

雄二の発言:
社会科見学の最中に、先生の目を盗んでまでしてスポーツ新聞読みたいはずが無い。そんなにスポーツが好きか。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
あ、そう、そんな洋平だから、「葱全部食う」発言も、「葱の味がわかる大人」みたいなさ、そんな演出だってのは、クラス中が気づいたわけよ。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
大人は、そんな葱の食べ方をしない。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
なんつーか、みんな腹たって、「お前ホントに全部食えよ」みたいな感じになってね。

ケイコの発言:
うん。

雄二の発言:
洋平も後に引けなくなって、「やったーヒュー!」とか言ってんだけど、明らかに、目が、泣きそうなの。

ケイコの発言:
かわいそうに。

雄二の発言:
大人は「ヒュー」とか言わない。

ケイコの発言:
まあ、うん。

雄二の発言:
結局さあ、「なんか歯が痛い」とか言って、早退していったよ。

ケイコの発言:
かわいそうに。

雄二の発言:
家で食う、とか言って、残りの葱を袋に詰めて帰った。

ケイコの発言:
絶対食べないね。

雄二の発言:
で、次の日、「焼却炉に給食の葱が捨ててあった事件」で全校集会が開かれる。

ケイコの発言:
わー。

雄二の発言:
中学生は本当に面白い。

ケイコの発言:
まあ。

雄二の発言:
高校生は、なんか、自分を見つめなおし始めちゃうから、面白さ半減するよね。

ケイコの発言:
ああ。

雄二の発言:
やっぱり中学生だよ。

ケイコの発言:
何の話だっけ。

雄二の発言:
インドだね。

ケイコの発言:
まあ、気をつけて行ってきなよ。

雄二の発言:
うん。あ、ケイコはどっか行かないの。

ケイコの発言:
伊豆行くよ。

雄二の発言:
クロちゃんは?

ケイコの発言:
日帰りだから、おいてくよ。犬嫌いな子居るし。

雄二の発言:
あそう。

ケイコの発言:
うん。ああ、もう寝る?

雄二の発言:
寝るか。

ケイコの発言:
うん。おやすみ。

雄二の発言:
おやすみ。